つえの里だより 第74号
第74号
平成28年11月
巻頭言「皆様へのお礼 他」
理事長 篠澤國雄
2ヶ月のご無沙汰でしたが、皆様お変わりありませんか?
僕は歳なりに95%の健康を保持しているつもりで散歩などしています。
ここから本文に入ります。
私は今年、思いもよらない大きな賞を戴き、6月5日には多くの皆様の祝辞を受け、本当に感謝しております。中々上手い言葉が見つからないけれど、あの日のことはつい昨日のことのように今も鮮明に覚えていて、嬉しいを通り越して、僕を支援してくださっている方々に対し、感謝の念で一杯です。本当に有難うございました。
陛下から戴いた賞状には次のような内容が書いてあったのでここで皆様に紹介させてもらいます。
「日本国天皇は篠澤國雄に多年自己の障害を克服し、他の障害者の指導に尽力したことについて黄綬褒章を授与する
平成28年4月29日 内閣総理大臣 安倍晋三
内閣府賞勳局長 幸田徳之」
と賞状に書いてありましたのでそのまま転写しました。
と、いうのは賞状の文字が点訳され添付してありましたので紹介しました。
改めて事務所職員や祝賀会を仕切ってくださった皆さんをはじめ会員の皆様、本当に有難うございました。こういう賞を貰ったから色々止めて気楽に、なんていう人もいるとは思うけど、僕の先輩で名古屋市の岩山(故人)氏は貰って止めるようじゃダメだよなと言ってより一層力を注がれたのを覚えております。
これからは今までとは違うことを、障がい者の「自分を含め」しあわせ感を得られる方向に向えたら良いなと思っている。といって障がい者だから甘えようというのではなく、一層勉強し、一般の方々に障がいの特性を知っていただき、その上で対応をしてくだされば、多分双方が良い形になるのではないでしょうか。そのための出前講師をさせていただきますので呼んでください。資料持参でお話しします。
次に「つえの里だより、ちいさなたび」の取材で高浜市吉浜人形まつりに11月13日の日曜日に行ってきました。最終日のためか人はまばら、でも僕にとっては幸せでした。何時もの3人(大津さん、篠田氏)です。案内してもらいながら説明を受けるのは人混みだとかなり迷惑をかけてしまうけど、人がまばらなのは視覚障がい者には楽です。
菊の香りが爽やかで作り物も見やすかったように思いました。昼食に立ち寄ったレストランの料理は豪華で美味しかったです。皆様も暇をみつけてこうした場へ行くのも心の健康のためになると思います。
最後に僕の若い時からの趣味はレコードをかけて聴くことです。気持ち良く楽しめて幸せです。皆さんのご希望があれば、またいつか何処かで。LP盤やEP盤、ドーナツ盤の童謡・唱歌・流行歌・ジャズ・クラッシック・民謡・浪曲まで、その日の気分でかけるものが違い、患者さんが聴いている「あれ、CDではないの?」「良い音だね」などと言われるとアホな僕は調子に乗ってまた違う曲をかけ、治療の方が手薄になりそうな時もままあります。楽しいですよ。暇にまかせてミカンでも食べ、お茶や茶菓子をつまみ聴くのは最高ですよ。
では次回は1月、平成29年です。風邪など引かないように注意し、楽しく過ごし、新年を迎えてください。来年もまた大いに応援お願いいたします。お元気で!
事務所から
つえの里 管理者 戸嶋 静子
季節が秋から冬に向かいつつあるこの頃です、皆様もお元気にお過ごしの事と思いますが、体調管理には気をつけてお過ごしくださいね。
皆様に相談支援の電話番号です。
070-2217-0579
お知らせ
今まで、日常生活用具の申請をつえの里にて、行っておりましたが、平成29年1月より名古屋市のハートフル大澤様に申請から納品までをお願いする事になりました。今後、必要な品物がある時は、つえの里に連絡くだされば、ハートフル大澤様から折り返し連絡が入りますので、よろしくお願いいたします。
白杖の申請につきましては、今まで通りつえの里にて行いますので、今後とも宜しくお願いいたします。
慣れるまではご迷惑をお掛けしますが、宜しくお願いいたします。
今年も残り一ヶ月あまりですが、今年も皆様には大変お世話になり、有難うございました。
つえの里の年末年始のお休みは、
平成28年12月29~平成29年1月3日です。
病気や、怪我に気をつけて良い年をお迎えください。
ちいさなたび
大津 廣子
11月13日(日)前日から続けての秋晴れに恵まれました。
次回は何処にしようか?と話し合っている時期に偶然駅で見つけた「人形小路菊まつり」の広告、「あ、ここがいいね!」ということになり、決めた所は高浜市の吉浜駅前の人形小路一帯で行われるイベントでした。今年は11月5日から13日までで、我々は最終日に行ったのですが、この日は名鉄ハイキング日と重なって碧南に向われるリュックを背負ったハイカーと乗り合わせ、4両の電車も座席は埋まってしまいました。吉浜駅は知立から五つ目で丁度18分。ホームは一つ、無人駅でちょっと寂しい駅でした。
当日は最終日で人出もまばらながら、駅前の案内板を見ながら早速スタート。生まれて初めてのスタンプラリーにも挑戦しながら①番から回り始めました。①番、②番は同じ1番館の中、②番の入り口から入ったのですが、これは三英傑の細工人形、なのに菊の香りが・・・何故?と不思議に思ったらすぐ隣に見事な菊人形がありました。題目は歌舞伎の「暫」で、吉浜菊人形や細工人形の生き字引といわれる人形師でもある菊師の神谷重明氏の作でした。その見事さ、華やかさにうっとり、とても感激しこれを見られただけでも此処へ来た甲斐があったと思いました。
吉浜の細工人形は360年の歴史があり、昭和39年に愛知県の無形文化財に指定され、吉浜細工人形保存会を中心に技術の伝承に努められております。人形の胴体を藁と竹で作り、和紙を張った上に自然物(貝殻・松かさ・木の実・ごま殻・竹・樹皮)を組み合わせて衣装の柄を表現することを特徴としています。毎年5月に新作が奉納展示されます。
また菊人形は、19世紀の末期に名古屋に黄花園(こうかえん)が開業し、菊の展示会から菊人形の展示をするようになりました。黄花園は業績を伸ばし、各地に出展するようになると、細工人形の製作技術のあった吉浜の職人に目が向けられ、黄花園の全国展開に大きく貢献しました。かかわる吉浜の職人も増え続けしばらくは菊人形のブームが続きましたが突然黄花園が撤退すると吉浜の職人は直接興行先から依頼を受け、全国の菊人形展に吉浜の菊師たちが出向いて活躍したため、地元は菊師不在状態。平成26年になって初めて開催することができたようです。
さて、今回のイベントに戻ります。菊の五重塔や地元の園児・小中学生による作品など盛りだくさん。順路でもある人形小路散歩道はレンガのラインになっていて狭いけどとっても判りやすく今回は迷わずに進めました。柳池院にある真田丸を最後に無事スタンプも集まり、おいでん横丁にあるゴールを目指しました。そこで割り箸のくじを引き、見事に3人ともスカで景品はライトの付くボールペンでした。その後一角にある持ち込みの手作り雑貨や昔おもちゃの店、最後にB級グルメのコケコッコを覗いたら、美味しそうな惣菜が並んでいたのでちょっと空腹を覚え、おからコロッケか野菜コロッケを1個ずつよばれ、満足。外に出てふと目に入った所が山車小屋で戸が開いていて中に「菊飾り山車」が納まっていました。これがイベント初日の5日10時から行進したものだったのです。1体1体素敵な人形が並んでいました。行列は見られなかったけど、誰もいない所でじっくり眺められとてもラッキーでした。
さて一通り見物したのでランチを摂れるお店を探しながら駅の方に向ったけれど、何にもなくて仕方なくもう一度逆戻り、前方にコーヒーの看板らしきものが目に入り、あそこに喫茶店があるよということで行ってみると「歌舞伎茶屋」でメインは2階にある人形歌舞伎でした。1階には趣味のお土産と一角にコーヒーコーナーがあるだけでした。がっかりしながら食事の摂れる所を紹介してもらうと、そこから割と近いらしいということでそこに行ってみることにしました。真っ直ぐ進んだあと三叉路を右に折れて踏み切りを渡ると県道50号が走っており、そこを左に行くともう看板が見えました。「しょうや」という車が50台ほど止められそうな大きなレストランでした。そこで大きなエビフライを戴き、お腹が苦しいと贅沢なことを呟きながらもと来た道を駅へと引き返しました。
ニュースの目
篠田 進
視覚障害者の事故防止
東京メトロ銀座線の青山1丁目駅で、目の不自由な男性がホームから転落し、電車にひかれて死亡した事故から間もなく2か月。全国の駅にホームドアを設置するのは時間がかかりそうだが、周りにいる人が危険を知らせてあげることはすぐにできる。視覚障害者に、緊急時の声かけのポイントを聞いた。
(寺西雅広)
声のかけ方にこつ
「緊急時の呼びかけにはこつがある。そのことを知ってほしい」
こう話すのは、日本盲人会連合(東京)の藤井貢組織部長(64)。自身も全盲で、駅のホームや街中で危険を感じることは少なくないという。
藤井さんによると、特に気を付けてほしいのが、誰に呼びかけているのか明確にすること。もし線路に落ちそうになっている視覚障害者を見つけた場合、「危ない」と声をかけただけでは誰のことかわからない。「『白杖をお持ちの方』『盲導犬を連れている方』など、特定できるように言ってもらえると助かる」。駅の放送でも白線の内側に下がるように促されるが、「視覚障害者は、自分のことと自覚できていないケースがある」と指摘する。
方向を指示する際も注意が必要だ。「右に寄って」と言われても、自分から見て右なのか、声をかけた人から見て右なのか判断できないからだ。方向を伝えるなら「白杖を持っている手の方へ」などと具体的に。とっさに言えない場合は、「止まって」などと簡潔に伝えた方がいい。
視覚障害者との距離が近いと、手や体を引っ張る人がいるが、逆効果になりやすい。「急につかまれるとビックリしてかえって危ない」。肩や腕を軽くたたき、「危ないですよ」と注意を促すと、本人も冷静に対応できる。
一方、視覚障害者はホームなどでわざと端の方へ進む場合がある。人とぶつかったり柱を避けたりするうちに、自分の場所が分からず、現在地を把握するために壁を探して歩くため。健常者からは意識しての行動か判断できないが、藤井さんは「わざと端へ進んでいるように見えても、危ないと思ったら声をかけてあげて。見てもらえているという安心感につながる」と話す。
藤井さんも20年以上前に駅のホームから転落し、肋骨を骨折した。当時に比べれば点字ブロックは増え、青山1丁目駅での事故以降は、街で声をかけられる機会も増えた。「事故防止対策を国や鉄道会社に求めるだけではなく、皆さんに意識してほしいというのが私たちの本音です」
緊急時以外は正面から
緊急時以外の声かけにもこつがある。まず、できるだけ体の正面から声かけするのが基本だ。後ろからだと気が付きにくく、横からだと声の方を向いたときに体の方向が変わってしまい、「そのまま斜めに歩いてしまう可能性がある」と藤井さんは強調する。
誘導するときは、視覚障害者の半歩前に立ち、肘や肩に手を置いてもらう。立つのは白杖を持っていない側。歩く速さは視覚障害者に合わせる。階段では視覚障害者の体を無理に持ち上げようとする人もいるが、足が地面に着いていいないと不安に感じる。「基本は視覚障害者が自分で動き、その動きをガイドすると考えてもらえれば」
最近、困っているのはキャリーバッグと歩きスマホ。キャリーバッグが点字ブロックの上に置かれていると、足に絡んで転倒しやすい。歩きスマホは、歩く速さが周りと変わらないため、視覚障害者もスマートホンを操作しているとは思わず激しくぶつかりやすい。「ゲームをしている人の動きは予測不能。周りを意識して」と訴える。
視覚障害者への声かけと誘導のポイント
Point 1 普段の声かけはできるだけ体の正面から
Point 2 「誰に言っているのか」「方向」を明確に
Point 3 階段では上りか下りを伝える
Point 4 誘導する際は手や白杖を引っ張らない
Point 5 盲導犬や白杖を持っていても大丈夫と思わず声かけを
(2016年10月6日 中日新聞 朝刊)
活動報告(平成28年9月・10月)
9月
2日(金) 介護サービス事業所講習会(介護保険)
3日(土) つえの里ヘルパー定例会
6日(火) サービス調整会議(介護保険)
7日(水) 相談支援連絡会・担当者会議(相談支援)
14日(水) 中部ブロック会議(相談支援)
相談支援部会(相談支援)
15日(木) 実践教室 巴ヶ丘小学校
相談支援従事者研修フォローアップ
(相談支援)
21日(水) 相談支援部会(相談支援)
27日(火) サービス調整会議(介護保険)
28日(水) 中部ブロック会議(相談支援)
合同会議(相談支援)
10月
1日(土) 精神保健福祉地域普及講演会(相談支援)
5日(水) 相談支援連絡会(相談支援)
臨時相談支援部会(相談支援)
7日(金) 実践教室 石畳小学校
12日(水) 相談支援部会(相談支援)
成年後見人講座(相談支援)
20日(木) 理事会
サービス検討会議(相談支援)
21日(金) 実践教室 大谷高校
25日(火) サービス調整会議(介護保険)
26日(水) 相談支援部会(相談支援)
27日(木) 事業所説明会(介護保険)
編集後記
東京では54年ぶりに11月に初雪を観測するなど急な天候の変化があり、インフルエンザなど体に不調が出やすい季節でもあります。
温度調節のしやすい服装で、手洗いうがい、こまめな水分補給をして、体調に気をつけてお過ごしください。