つえの里だより 第72号

2016-07-27

第72号

平成28年7月

 

巻頭言「祝 お礼」

理事長 篠澤國雄

大層暑い夏がやってきましたね。皆様はお変わりありませんか?私は6月5日の後は色々と野暮用に振り回されております。でもあの日に皆様から頂いたエネルギーのお陰か、その割りにはバテてはおらず、安心して毎日を過ごせております。あのような人のエネルギーのもの凄さに今も感謝しつつ80歳の身に力を入れ、なお一層頑張らねばと思っております。いえ、頑張りますのでこれからも末永くご支援を賜りたくお願いいたします。本当にありがとう様。

今までやってきたことの積み重ねが今回このような幸せ感に変わったのかと思うと勿体無く皆様に対しその幸せ感をお伝えしたく巻頭言の最初に書きました。上手い言葉は見つからないけれどせめて感謝の気持ちが伝わればいいなと思っています。

これから一層、障がい者福祉の見張りをしないといけないのかなとも思いますが少々歳をとり過ぎました。

次に7月3日の日曜にいつもの3人で「新美南吉記念館」と「赤レンガ」に電車を乗り継いで行って来ました。詳しい記事と写真は大津さんにお任せして僕は勝手なことを書きます。それは見えない僕らにももう少し優しいともっと楽しめると思いました。どういうことかと言うと遊歩道の整備がちょっと感心しない。帰りは自然道を歩いたが、むしろこの道のほうが足に優しいが標識がもっと欲しいと思ったよ。

新美南吉というのは本名ではなく、生まれ育った家は質素な家でした。とかく地方から出た作家は簡素な出が多く、前回「ちいさなたび」で訪ねた田原市の渡辺崋山も同様でした。

今になってその人をターゲットにしての観光の礎にするのはいかがなものかと感じている。

最後にこのたよりが皆様のお手元に到着の時は既に参院選が終わっていますが今後大いに点字で投票に臨まれることをお勧めします。行政や国に色々不満を訴えるのにはこうした時に点字投票という形をとることが視覚に障がいを持つ我々の意見を取り入れてもらうためにも最善の方策だと思いますから。

ではまた9月に書きましょう。さようなら。

 

事務所から

つえの里 管理者 戸嶋 静子

暑い夏の到来です皆様方も熱中症対策を忘れずに室内にいても水分補給を必ずしてお過ごしください。

7月17日のつえの里総会に多数のご出席いただき無事に終える事が出来ました。皆様方のご協力のおかげでつえの里も頑張っていくことが出来ます。今後とも宜しくお願い申し上げます。

お願い

つえの里を発足した時からのヘルパーも多数おられますが年齢層もだんだんと上がりつつある現状です。また新しく登録してくださるヘルパーも募集していますが、あまり増えない現状が続いております。今後も福祉輸送の出来るヘルパーが今以上に減ってしまいます。公共交通機関でのヘルパー利用を月1回でも構いませんので利用していただければ、ヘルパーの確保が緩和されるのではと考えております。ご協力の程、宜しくお願い致します。

 

「ちいさなたび」

大津 廣子

7月3日(日)梅雨の最中、うす曇りのこの日は兼ねて計画していた、平成16年に国の登録有形文化財になった「半田赤レンガ建物」を訪ねました。夕方からはお天気も崩れそうだとの予報もあったので、念のため折り畳み傘を持参して出掛けました。

豊田市駅を9時に発車する知立行きは2両編成で土橋駅ではあらかた席が埋まってしまいました。知立駅で快速特急「新鵜沼行き」に乗り換え、神宮前で下車し、今度は河和線の特急電車に乗り変えたのですがこの電車は横揺れがすごくて座っていても体が自然と揺れていました。二つ目の駅、阿久比で普通電車にまた乗り換えるのですが、今度は反対側のホームにて既に待機しているのでスムーズに移動できました。「内海行き」の2両編成の電車は三河線よりも立派な電車で、目的の駅は三つ目の「住吉町」です。降りたホームは西口だったのですが、最初に目に付いた階段を登り跨線橋を渡ってまた階段を降りたらそこは東口の改札で反対側を見たらちゃんと西口の改札がありました。今回もドジってしまいました。窓口にいらした駅員さんに尋ねたら「左に曲がって踏み切りを渡ったら5分ほどで着きます」とのこと。

国道237号線沿いに歩くとほぼ5分で左側に赤レンガの建物が目に入り思わず写真を撮りました。

でも入り口まで行くにはもう少し先まで歩きます。扉を開けるとエントランスがあり、先ず目に飛び込んできたのは大きな樽と七夕飾りでした。右手にはショップがあり、瓶入りのカブトビールや関連グッズ、地元名産品などを販売。左手にはカフェがあり、生カブトビールやおつまみが楽しめます。

我々は先ず、インフォメーションで身障手帳を出して無料で常設してある展示室へ。矢印に従って進むと「赤レンガシアター」で成り立ち等を見た後、当時の瓶や看板、詰められた木箱、それを運んだトロッコの線路、赤レンガ建物の構造等々見学したあと、催事販売のため有料にて使用されていたクラブハウスにて手作り品の色々を見学、気に入ったものをちょっとだけ購入し、ショップにてお土産用に3本2千円の復刻カブトビールを購入、その場で甘酒を頂きました。お味は、というと口直しに持参したお茶を飲みました。

それから今度は南吉の生家を求めて駅の方へと戻りますが、駅を通り越して出口町の信号まで行くと右折です。通りの麺屋さんの前には3~4組の行列ができておりました。辺りを見ると他には食べ物屋さんらしき店が1軒もなく妙に納得できました。標識に南吉生家まで0,9Kmと出ていたので、そのくらいなら楽チンだと歩きながらついでに食べ物屋さんも物色します。でもたこ焼き屋さんとか、お好み焼き屋さんとかばかり、やっと見つけた店はイタリアンでしたが、仕方ないのでそこに入ることに決めました。ランチはオリーブオイルまたはトマトソース、クリームソースの3種類から選ぶパスタか、えびグラタンでした。前菜は大好きな?蒸し鶏のクレープ、シメジとあおさのクリームソースを頼みましたがこちらはそれなりに美味しく頂きました。食後のコーヒーを頂いてから外に出てみると外気がむっとしました。そういえばこの街には豊田市の所々で見かける温度計が一つもないので今何度あるのか正確にはわかりませんが32,3度はあったでしょう。それよりも湿度が高い!

先ほどこの店に入る前にちらっと目の端にとまっていたのが「南吉生家」という矢印でした。だから迷わずその方向に歩くと直ぐにありました。とっても小さな家で向って右側に父親が営む畳屋、左側には継母の下駄屋があります。

(この常夜灯は小さい頃の遊び場のひとつ。)

正面から入ってみるとびっくり、短いはしご段がついていて階下になっておりそこにはポンプや流し台や茶の間、お風呂場などが残されておりました。つまり、この家は斜面に建っているので表からみれば店が1階にあるのです。

南吉は大正2年に生まれ、10年には実母の実家に跡取りとして迎えられたが祖母との二人暮らしの寂しさに耐え切れずわずか半年ほどで実家の渡辺家に戻っていると記されております。

このあと、車はひっきりなしに通るのに歩道のない県道を歩いて南吉記念館へと向いました。途中1箇所だけ歩道がありましたが、そこは小学校の長さ分だけでした。子供たちはもっと遠くから通って来てるでしょうにね。

この記念館は平成6年6月に生誕80周年・没後50周年を記念し童話「ごん狐」の舞台とされる中山の地に開設されたようです。記念館に隣接する童話の森には遊歩道が整備されていて散策や自然観察が楽しめるようですが、この暑さでは遠慮したいですね。

さて、中にはいってみると、涼しい!館内は冷房が効いているので当たり前ですけどね。受付で手帳を見せると男性がさっと現れてバリアフリーの動線を案内してくださり、楽に進むことができました。図書閲覧室の入り口には右手が人間の手をした子ぎつねのフィギュアが少しだけ戸を開いた店のまえに立っていました。可愛い!!その他展示室には原稿や日記、手紙や作品6点のジオラマ模型が展示。

最後にお決まりの行程でショップに立ち寄りしばしお買い物タイムとなります。

あとはもう帰るだけですが、来た時の道は通りたくないので受付でごんの橋を渡って彼岸花の咲く矢勝川沿いの道を教わり、少々遠回りながらも車が通らない、草が道の真ん中と両サイドに生い茂っている土道を歩きながら前方に赤い電車が右へ左へと走っていくのが見えました。ああ、あっちが駅だなと見当をつけ、照り付ける日差しにも負けず、ひたすら歩きました。途中に、ででむしの像やきつねの滑り台がある「ででむし広場」がありましたが、さしたる感動もないまま、やり過ごし駅に向ってまっしぐら。

ようやく「半田口」の駅に到着。14時41分の普通電車で阿久比まで行き、特急電車に乗り換えました。

 

(半田口駅の出入り口にちょこんと乗っかっているきつねが可愛くて思わず1枚)

ニュースの目

 

篠田 進

目の不自由な人も自分でメイク

目が不自由なため鏡で自分の姿を見ることができなくても、自らきれいに化粧できる方法がある。「ブラインドメイク」と呼ばれ、両手の指先に口紅などの色をとり、左右対称に同時に動かすことでバランス良く仕上げる。考案した日本福祉大大学院生の大石華法さん(50)=大阪市=は「化粧をすることで、社会に一歩を踏み出す自信に」と話す。    (山本真嗣)

 

化粧法考案 両手の指で左右対称に

大阪府東大阪市の主婦松下恵さん(56)は14年前、網膜剥離を患い、現在は両目ともほぼ全盲の状態だ。でも外出前にはいつもブラインドメイクで化粧をしている。

乳液での肌のスキンケアからまつげのマスカラ、チーク(頬紅)まですべて自分でやり、所要時間は15分ほど。「健常者からも『方法を教えて』と言われる」ほどの仕上がりだ。外出先で汗などで崩れても、すぐに直せる。

失明直後は手の感覚だけを頼りに化粧をしていたが、家族から口紅がはみ出していることを指摘され、不安で外出を控えるようになった。5年前、ブラインドメイクを知り、大石さんのレッスンを受けて身に付けた。

6月に東京都内であった製薬会社主催のセミナーで実演した松下さんは「顔を上げて道を歩けるようになった」。9年前の長女の結婚式では化粧崩れが心配で涙をこらえたが、ブラインドメイクを習得し、その後の三女の結婚式では「思い切り泣けた」と喜ぶ。

大石さんによると、健常者は鏡を見ながらスポンジやはけ、筆などの道具を使い、自分の利き手で顔の左右を化粧する人が多い。一方、ブラインドメイクは道具をほとんど使わない。代わりに両手と両指をを使って左右対称に同時に動かすことで、目が見えなくても左右のずれやむらがなく化粧できるという。

下地となるファンデーションは、液体のものを両手のひらにとって温め、両手を合わせて均一に伸ばした後、ゆっくりと顔に押し当てる。眉や目元のアイシャドーとアイライン、口紅、チークは両指先に色をとり、擦り合わせて均一にした後、左右対称に塗っていく。ポイントは「左右で同じ動き、速度、力で」。マスカラはまつげの周囲に色が付着しないように、上下のまぶたにテープをはる。

大石さんは「一度身に付ければ、歯磨きや耳かきと同じで、鏡を見なくても手指の触感覚で簡単にできる。両手で左右同時に化粧できるので、通常の半分の時間で済む」という。

考案したのは大阪市職員として福祉部門で働いていた8年前。ボランティアでガイドヘルパーについた30歳ぐらいの視覚障害者の女性から、化粧がしたくてもできないと聞かされた。同じ女性として何とかしたいと思い、鏡を見ずに何度も自分で練習し、ブラインドメイクの方法を確立。「視覚障害者は手指の感覚が優れ、器用な人が多い。その強みを生かした」という。

 

2014年には、知人の視覚障害者らと任意団体「日本ケアメイク協会」を設立。講習会や、有料の個人レッスンを通して化粧法を伝えている。ブラインドメイクを社会福祉の一つとして広めようと2013年に日本福祉大大学院に入り、研究を続けている。

レッスンは名古屋市や大阪市、新潟市などで受けられる。日本ケアメイク協会にメールで申し込む。

info@caremake.jp

(2016年6月21日 中日新聞 朝刊)

活動報告(平成28年5月・6月)

 

5月

6日(金)        実践教室連絡会

サービス調整会議(介護保険)

9日(月)        相談支援連絡会(相談支援)

10日(火)        担当者会議(相談支援)

21日(土)        相談支援部会(相談支援)

25日(水)        相談支援部会(相談支援)

26日(木)        サービス調整会議(介護保険)

 

6月

 

1日(水)        担当者会議(相談支援)

3日(金)        サービス調整会議(介護保険)

相談支援連絡会(相談支援)

5日(日)        篠澤國雄・黄綬褒章祝賀会

8日(水)        岩倉小学校 実践教室

相談支援部会(相談支援)

9日(木)        若園小学校 実践教室

10日(金)        若園小学校 実践教室

14日(火)        朝日小学校 実践教室

15日(水)        相談支援部会(相談支援)

19日(日)        理事会

20日(月)        地域移行・地域定着支援(相談支援)

22日(水)        合同会議(相談支援)

24日(金)        サービス調整会議(介護保険)

28日(火)        相談支援部会(相談支援

 

 

 

編集後記

 

 

豊田市では、クールシェア。環境省でも、クールチョイス。

という活動をしているようです。

暑い日に、自分の家で冷房を入れて快適に過ごすのも良いですが、公共の場へ出て涼んでみるのも良いかもしれません。

また、セミの合唱がどこでも聞ける時期になりました。

暑い日が続きますが、皆さん、水分・塩分補給をして熱中症などに気をつけてお過ごしください。

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